西俊輔の「毎日楽しく」

2019年4月号(Vol.164)

 今月はいよいよ平成最後の月ですね。この原稿を書いている時点では新しい元号はもちろんまだわかっていませんが、いったい何になるんでしょうか? 私を含め昭和生まれの方々にとっては、とうとう3つ目の元号時代に突入するわけで、私自身が子供のころ、昭和からみて2代前の明治生まれと聞くと、ずいぶん高齢の方というイメージでした(明治生まれの方ごめんなさい・・・。ちなみに、明治生まれの方が今年ご健在なら107歳以上になられると思います)。でもこれからは私たち昭和生まれの人間がそういうイメージで見られるわけですよね・・・。 

 みなさまにとって「平成」という時代はどんな時代でしたか? 経済的な面では「失われた○○年」など、必ずしも良い時代ではなかったように言われますが、良い面を見れば、平成は戦争の無かった時代でした(もちろん、日本は、という意味ですが)。昭和でも戦後生まれの73歳以下の方々にとっては、生まれてからずっと戦争がなかったわけですから、多くの方々にとってそれはもう当たり前のことになっていますが、世界を見渡せば決して当たり前のことではなく、海外のニュースなどを見るたびに、戦争が無いことがいかに有り難いことかということをあらためて考えさせられます。お隣の中国や韓国と常に何か火種を抱えているのも70年以上前の戦争が原因ですし、人類共通の重要な遺産などが失われたのも戦争が原因となっていることが数多くあります。地球の生態系という大きな視点からみれば、戦争によって人口が増えすぎないよう抑制されていたという見方も否定できないそうですが、私たち人間にとっては戦争など無いほうがいいに決まってます。人口抑制という意味でいうと、病気の存在もそうした機能を持っていると言われることがありますが、医学の進歩によって人間は次々と病気を克服し、以前なら助からなかった病気でも死なずに済むようになってますから(これは有り難いことですが)、大変な数の方々が亡くなった第二次世界大戦以後、世界の人口は急激に増える結果となっています。特に先進国で最近話題になっている少子高齢化は、そうした中でも人口が増えすぎないようにするために「自然」が仕組んだ安全弁なのかもしれませんが、それも機能しないとなれば、人間はまたその本能に従って戦争を始めることになるかもしれませんね・・・。そう思うと、少し不安になってしまいますが・・・。 

 来月から始まる新しい元号の時代も、どうか平和が続いてほしいものですよね。

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