西俊輔の「毎日楽しく」

2019年7月号(Vol.167)

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする

かなりカタい文言で始まりましたが、実はこれ、税理士法第1条の文言で、税理士の使命を規定した条文です。もちろん、税理士本人のみならず、税理士事務所に勤める職員にも結果的には同じく適用されます。

税務に関する専門家という部分は特に説明するまでもないと思いますが、「独立した公正な立場において」という部分の意味は、一般にはあまり知られていないかもしれません。「独立した公正な立場」というのは税理士に求められているポジションを規定しているんですが、税理士は本来、課税当局側に偏ってはならないのはもちろん、納税者側に偏ってもダメなんです。

弁護士さんであれば、依頼者の利益を図るのが当然なんでしょうけど、税理士の場合、依頼者(納税者)の要望が税法などに沿ったものでない場合、それをお断りしなければならないので、いついかなるときでも納税者側の味方というわけではありません。ひょっとすると、そこは誤解を受けているかもしれませんね。

ただそうすると、税理士は税務署と変わらないのか?という別の誤解も受けてしまうかもしれませんのでちゃんと説明しておくと、課税当局(税務署)はやはり、納税者から税金を納めてもらうのがお仕事ですから、場合によっては、あるいは担当者によっては、これまた税法を逸脱して、本来は納税者が納める必要のない税金まで納めてもらうよう解釈してしまうことがないとは言えません。

そこで、そうした課税当局側の間違った主張に対する「防波堤」として、また時には納税者に対して正しい納税をすべきことをお伝えする役割を持った人として、税理士が必要となるんです。ただ、実際の事例に税法を当てはめる際の解釈は簡単ではありません。

そもそも白黒をはっきり決められないケースが多いことに加えて、その判断も税法などの文言そのものから考えることもあれば、文言だけでなくその立法趣旨まで考えることもありますしね。本来は立法趣旨から考えるべきなんでしょうけど。

 会社などにかかる法人税については一般に、いわゆる節税というのはあまり積極的にやらないほうが、会社に残るお金は増えることが多いようです。キャッシュの支払いを伴わない経費というのがほとんど無いため、経費を増やそうとすると、結局は税金の支払い以上にキャッシュが出ていってしまうことになるからです。もちろん、税金を過大に支払う必要はないですけどね。

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