西俊輔の「毎日楽しく」

起きる必要のなかった事件

この原稿を書いている現在、国葬扱いとすることについて賛否両論が巻き起こっている安倍晋三元総理が亡くなった事件ですが、第一報を聞いたときは驚きました。総理大臣経験者が暗殺されるなんて過去の歴史の話だと思ってましたが、まさか、自分がリアルタイムでそれを目にするとは思っていませんでした。実際、総理大臣経験者が暗殺されるのは1936年に起きた「二・二六事件」以来とのことですから、こんなことは第二次世界大戦を挟んでも80年以上無かったことです。

当初は、「民主主義に対する挑戦」とか、「言論の自由を暴力で封じる暴挙」といったコメントをよくみかけましたが、報道されている犯人自身の言葉によれば、どうやらそういった政治的な意図はなく、単なる個人的な恨み(それもどうやら根拠の薄い恨み)のようです。政治信条の違いや好き嫌いはあったとしても、これだけ世界中の首脳たちから弔意を示され、現在、日本との関係が急速に悪化しているロシアのあのプーチンさんですら弔意を示した元総理ですから、私たち日本人が今回の事件の重要性を実感するのはずっと後になるかもしれません。

またそれと同時に、今後明らかになっていくのでしょうけど、演説していた安倍元総理の警護体制も大変残念でした。現職の総理大臣に比べれば警護の人数が少なかったとはいえ、銃を構える人物をやすやすと背後に接近させ、おまけに1発目の銃弾はせっかくはずれていたにもかかわらず2発目を撃たせてしまったことは、世界に対して日本の要人警護体制の甘さを証明したようなものです。

警護体制がちゃんと機能していれば死なずに済んだかもしれないと思うと本当に残念ですし、最近、その様子が報道され始めた昭恵夫人も本当にかわいそうです。どんな理由があれ、暴力で人の命を奪うことは許されることではありませんが、現実の世界では、それによってより多くの人たちが救われることも場合によってはあるのかもしれません。ただ今回の安倍元総理はそういう類とはまったく無縁の起きる必要のない事件でした。

2年前の8月、当時、総理大臣の辞任会見をした安倍元総理についての私のブログで、失ってみてはじめて有難みがわかる総理大臣になるんでしょうかね? と書いてましたが、まさか、これが別の意味で使われることになるとは思ってもみませんでした・・・。新型コロナのように多数の死者を出す伝染病の世界的流行も約100年ぶりだそうですし、安倍元総理の暗殺やロシアによるウクライナ侵攻など、私たちは今、次々と歴史的な事件を目にしていますが、これからもまだこんな事件を目にすることになってしまうんでしょうかね・・?。

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