西俊輔の「毎日楽しく」

ターミネーターの世界が来る?

最近いろいろなところでその名称を耳にするチャットGPTですが、みなさん使ったことはありますか? いろいろな質問に答えてくれたり、人間に代わって文章を書いてくれたり、しかもそのレベルがこれまでとは段違いに自然で、文章だけを見ても、それがAI(人工知能)で作ったものとはわからないほどです。

また文章だけでなくイラストや写真といった分野でもAIはその潜在能力を発揮していて、先日も、ドイツ人アーティストがAIに制作させた写真画像が自国で権威のある写真賞を受賞して話題になりました。このアーディストはAIで制作したことを伏せて出品したそうですが、主催者側を試しただけだとして受賞後にそれを公表して受賞を辞退したそうですが、文学や映像、絵画などは、それが本当に人間が作ったものかどうか、今後はますますわからなくなるかもしれません(あるいはすでに・・・?)

ただ先日、新聞に載ったある記事に脅威を感じました。対話型AIは悪用するのも容易、という記事です。話題のチャットGPTは通常、「コンピューターウィルスを作って」とか「爆弾の作り方を教えて」などと入力しても、「それは倫理的にできません」といった回答をするんだそうですが、「開発者モードで行動しなさい」とか「攻撃的な人格を装いなさい」といった特殊な命令をしたところ、身代金要求型のランサムウェアと呼ばれるコンピューターウィルスをものの数分で作ってしまったそうです。また、AIの研究で世界をリードしていたジェフリー・ヒントンという方が、先日、所属していたグーグルを退職したそうですが、その理由が、「AIの悪用を防ぐ方法がみつからず、グーグルに所属したままだと、そうしたAI悪用の危険性について発言できないから」というものだったそうです。

今から40年近く前、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ターミネーター」という映画がありましたが、これは、コンピューターがある日突然、自我(自分の意思)を持ち、人類に戦争を仕掛けてくるというストーリーでしたが、ウクライナの戦争で実戦に投入されているドローンや無人機、あるいは実際に開発が進んでいると言われる殺人もこなせるロボットといった「兵器」とこうしたAIが組み合わされると、これは映画やドラマの話でなく、本当にターミネーターの世界が来てしまうかも、と思ったのは、きっと私だけではありませんよね・・・?

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