西俊輔の「毎日楽しく」

2016年2月号(Vol.126)

家庭で飼うペットといえば、まっさきに思いうかぶのは犬と猫でしょうか。実際、2014年時点では世帯に占める飼育数は犬が15%、猫が10%で、その次が金魚で5%、メダカ4%、熱帯魚とカメが2%というデータがあるそうですから、やはり、犬と猫はペット界の2強といえそうです。

 

実際の飼育数でみると2014年10月時点で犬は1,035万匹、猫は996万匹で、この時点では犬が多いんですが、最近は犬の飼育数が減る一方、猫の飼育数がどんどん増えているそうで、近いうちに猫の飼育数が犬を逆転するともいわれているそうです。

 

猫が増えている理由にはいくつかあるようですが、犬に比べて散歩などの世話が不要で手がかからないことと、生涯にわたってかかるお金でみても、猫のほうが安いというのが大きな理由のようです。

 

 「犬派」や「猫派」という言葉があるように、人によってより好きなのはこちら、というのはあるものの、動物が好きな人にとってはどちらもかわいいもので、その「癒し効果」は科学的な観点からも人に対して少なくない影響を与えることがわかっているそうです。

 

私の知り合いに、最近、大切なご家族を亡くされた方がいらっしゃいました。これまでのご関係を考えると、なんと言葉にしていいかわからないぐらいの出来事でしたが、ご本人の言葉によると、ある面では救ってくれたのが飼っていた犬たちだったそうです。

 

もちろん、亡くなったご家族の代わりを犬がつとめてくれるわけでは決してないと思いますが、複数の犬を飼っていたためにその世話が大変で、毎日必死になって世話をしているうちに時間が過ぎたとおっしゃっていました。

 

認知症を含む精神的な病気を持つ方が犬などの生き物とふれあうことによって病気の進行が止まった、あるいは症状が改善したという話はよく聞きますし、子供の情操教育に良いというのは昔から言われていることです(最近はアレルギーの問題などもありますが…)。

 

人間同士の触れ合いからだけでは得られないこうした効果の理由のひとつには、「無償の愛」というものがあるようです。私たち人間と違って、動物、特に犬はなんの見返りも求めない無償の愛を人間に注いでくれるといいます。

 

犬を飼ったことのある人ならわかると思いますが、こうした一途な思いや多くのモノを欲しがらない動物の生き方には、私たち人間も学ぶ点が多いような気がします。

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