西俊輔の「毎日楽しく」

2017年1月号(Vol.137)

あけましておめでとうございます。みなさま、年末年始はゆっくり過ごすことができたでしょうか? 2017年もみなさまにとって良い一年になりますよう、お祈りしております。

さて、去年話題になった映画といえば、なんといっても、「君の名は。」ですよね。日本国内で上映されたすべての映画の歴代興行収入第1位は宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」だそうですが(洋画も含めた日本国内の歴代1位の映画はアニメなんですね…)、「君の名は。」は今回、ハリウッド映画の「ハリー・ポッターと賢者の石」を抜いて第4位となり、邦画に限定すると、「千と千尋の…」に次ぐ第2位が確定したんだそうです。昨年8月に公開された映画ですが、年明けの現在もまだ上映が続いてますので、もう少し記録は伸びるかもしれません。また、興行的に成功しただけでなく、イギリスのメディアでは最高評価がつけられて絶賛されており、昨年12月にはロサンゼルス映画批評家協会による長編アニメーション賞を受賞、次の話題は映画界でも最高の栄誉のひとつであるアメリカのアカデミー賞を受賞することができるかどうかということだそうですが、そういうことが話題になるほど、内容的にも評価の高い映画です。大人になってから見たアニメといえば宮崎駿さんの作品しかなかった私ですが、遅ればせながら先日この映画を見てきました。主人公が高校生でしたから、アラフィフの私がはたして感情移入できるのか、半信半疑で見てきましたが(笑)、すごくいい映画でした。

ただ、これだけヒットするとケチをつける人も出てくるもので、ヒット映画となる条件をあざといぐらい盛り込んでるとか、これでヒットしないほうがおかしい、内容的には新味に欠ける、などなど、いろいろな批判も実は受けているようです。一方で、なぜこんなにヒットしたのかというテレビの特集も組まれていますが、監督の新海誠さん自身はなぜこんなにヒットしたのか、自分でもわからないとおっしゃってるそうです。狙ってヒット作をつくるというのはなかなか難しいことなのかもしれません。

何か特別な宣伝をしていたわけでもないそうで、SNSを中心とした口コミの効果が大きいと新海監督は分析していましたが、映画に限らず、いいモノを作り、いいサービスを提供することがいかに重要か、あらためて気づかされる映画でもありました。

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