ラグビーとビジネスの共通点|2019年11月号(Vo.171)
みなさん、日本で開催されているラグビーのワールドカップはご覧になりましたか?
この原稿を書いているのはグループリーグが終わった直後なんですが、先月13日に行われたグループリーグ最終戦の日本対スコットランド戦では、試合を中継したテレビの平均視聴率が39.2%で今年放送された全番組を通してトップ! 瞬間最高視聴率はなんと53.7%!だったそうですから、たくさんの方がご覧になっていたようです。
私自身は日本代表戦のテレビ中継はすべて見ましたし、それ以外の試合も時間が合えばけっこう見ていた「ラグビーファン」なんですが、実は、今回のワールドカップが始まるまでラグビーの試合はほとんど見たことがなく、ルールもまったく知りませんでした。なので、ファンとは言っても完全に「にわかファン」です。
でもきっと、今回のワールドカップで私のようなにわかファンになった方ってけっこう多いですよね?
そういう、にわかファンが大量に発生した(と思われる)理由は今回の日本代表の活躍があるのはもちろんですが、ラグビーそのものの魅力も大きいと思います。
そして、その魅力のひとつに、ラグビーの精神があると思っています。ラグビーは他の球技と違って、まるで格闘技のように選手同士が激しくぶつかり合いますから、ともすると、即、乱闘につながりそうなイメージもありますが、実際にはなかなかそうはなりません(もちろん、試合中の小競り合いは今回のワールドカップでもありますけどね)。
それは厳しいルールがあることに加えて、たぶん、選手や関係者が他の競技と比べて、より一層、相手へのリスペクトやフェアな精神を意識しているからだと思うんですが、そうした思いが競技のあちらこちらに垣間見えて、なんともいえない爽やかさを感じさせてくれます。また、自分の身を犠牲にして他の人を活かすようなプレーも多く、そういうところにも、なんともいえない美しさを感じてしまいます。
スポーツがビジネスの参考になるということはよく言われることですが、ラグビーにみられるこうした他者へのリスペクトや思いやり、「ONE FORALL , ALL FOR ONE(一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために)」という考え方もまた、ビジネスには大変参考になると思いますが、みなさんはどう思われますか?