ホタテをなめるなよ
先日仕事で、北海道最北端の稚内に隣接する猿払というところまで行ってきました。村としては日本最北の村なんだそうで、車で行ったんですが、弊社がある旭川からの距離は約210km。東京からだと静岡県掛川市の少し手前ぐらいまでの距離に相当します。
道中、一部高速道路はあるものの、大部分は一般道なので、制限速度を守って走ると片道3時間半以上はかかります。といっても、一般道の大部分はほとんど信号が無い道路ですから、高速道路を走るのとそれほど変わらないかもしれませんけど・・・。途中には大きな街などがほとんど無いため、景色としては山、平野、と単調といえば単調なんですが、ちょうど紅葉が盛りだったこともありどこも景色がキレイで、おかげさまで飽きることはありませんでした。
そして、ご存知の方も多いと思いますが猿払といえばホタテです。オホーツク海に面する猿払は現在、ホタテの水揚げ量が日本一で、道内屈指の好漁場として発展してきたまちなんだそうです。ただ、それが災いしてか乱獲によって一時期ホタテの漁獲高が大幅に減少し、まちそのものが衰退の危機に陥って漁師をやめる人もいたんだとか。そこで地元の漁師さんたちはホタテ漁を復活させるために昭和46年、日本で初めてホタテの稚貝を放流し、長い期間をかけて現在のようにまたホタテ漁がさかんなまちに戻したんだそうです。
で、これまたご存知の方も多いと思いますが、4年ほど前に猿払が全国的に話題になったことがありました。それは、毎年発表される全国の市区町村住民の平均所得番付で、2017年にこの猿払村はなんと全国3位になったんです! このときの1位は東京都港区(まあそうでしょう)、2位は東京都千代田区(これも納得)、3位が猿払で、4位が松濤などの高級住宅地を抱える東京都渋谷区(渋谷より猿払が上だったんですね・・・)でした。
昨年2020年はホタテが不漁で12位だったそうですが、それでも1,700以上ある全国の市区町村で12位ですからね・・・。猿払村の住民の方々がいかにお金持ちかということに驚かされます。そういえば、猿払村に近づいたところで某高級スポーツカーが走ってるのを見ましたし、まちには豪邸や車庫におさまる高級車がちらほら・・・今年8月1日時点で2,675人の人口がある猿払村の平均所得をここまで押し上げた昭和46年の稚貝の放流という英断はすばらしかったですけど、私たちのビジネスでもなにかこうした気付きはないものかと思ってしまいました。
帰リ際、道の駅でお昼ごはんにホタテフライ丼というのを食べ、もちろんおいしかったんですけど、ご訪問した先でお土産にいただいたそこのお母様手作りのホタテごはんの方がずっとおいしかったです。